1.軸対称barotropeの定常状態を記述する一般的な定式化の中に現れる電流密度におはるtoroidal電流にかかわる任意関数を適切に選ぶことにより、恒星内部の磁場構造として、これまでに知られていなかったものを見出すことができた。それは、恒星の中心付近の狭い領域の磁場が表面磁場の2桁から3桁強いというものである。特に、磁場の成分としては外から観測できないtoroidal磁場ではなく、poloidal磁場の大きさが桁で違う定常状態なのである。こうした磁場構造は今回はじめて見出きれたものであり、中性子星や白色矮星において重要な影響をもたらす可能性がある。 2.1.と同じく一般的な定式化に現れるtoroidal電流だけでなく磁場に平行な雷流密度の関数形を適切に選ぶことにより、toroidal磁場とpoloidal磁場のエネルギーが同程度であるような磁場構造を持つ定常状態を計算することに成功した。こうした定常状態が数値的に厳密に求められたのは世界で初めてのことである。Toroidal磁場がpoloidal磁場と同程度の定常状態は安定な存在であると予測されており、求められた定常状態は安定性解析を行うのに有効に利用できるものとしても意味がある。 3.一様密度の自己重力流体が楕円体の定常状態を保つための条件を導き、それを使うことで、Maclaurin楕円体とDedekind楕円体に磁場が導入された形の解析的厳密解を発見した。この解は単純な形をしており、磁場の影響を半定量的に考える際に利用できる解として重要になると考えられる。
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