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2010 年度 実績報告書

Ia型超新星の進化経路の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 20540227
研究機関東京大学

研究代表者

蜂巣 泉  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90135533)

キーワード超新星 / 連星系の進化 / 銀河の化学進化 / 恒星風 / 超軟X線源 / 中質量星
研究概要

本研究の目的は、最新の観測結果を統一的に説明する、新しいIa型超新星の進化経路を構築し、超新星の起源を理論面から解明することである。
Ia型超新星は、唯一、遠方まで達する標準光源として宇宙膨張則の決定に使われているだけでなく、銀河の化学進化においても重要な役割を果たしている。しかし、どのような星("親星")がIa型超新星として爆発するのか、に関しては、現在のところ決定的な結論が出ていない。昨年度に引き続き、今年度は以下のような研究が完成した。
(1)質量降着白色矮星から吹く新星風によって、伴星表面からガスが剥ぎ取られる効果を新たに連星進化に適用する。このことによって、伴星から白色矮星への質量移動率が大きく抑制される。この効果を連星進化の計算に取り入れることにより、今まで考えられてきたものより重い(5-6太陽質量の)伴星が安定に質量移動を行えること、剥がされたガスは軌道面にたまり、トーラス状の星周物質を形成することなど、を示すことができた。
(2)これを実際の連星系に適用し、連星系の進化を追いかけた結果、Ia型超新星の星周物質問題、および1億年ほどの若い年齢のIa型超新星の存在などを統一的に説明することができた。
(3)今年度は、質量が剥ぎ取られる方の伴星を、東北大学の斎尾英之氏の恒星進化のコードを使い、よりリアリステックに表現することで、より正確な質量移動率を計算できるようにした。この新しい計算コードを使い、Ia型超新星の進化経路を再計算した。
(4)最近、チャンドラセカール限界質量を超えて、爆発するIa型超新星が発見されたことを受け、その起源を説明するべく、新しく計算コードを改良し、1.4倍太陽質量を超えても、白色矮星が回転のため、成長できるとして、計算を行った。その結果、最大で、2.7倍太陽質量までの白色矮星が形成され、それが爆発することで、チャンドラセカール限界質量を超える明るさをもったIa方超新星を説明できることを示すことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A Light-curve Model of the Symbiotic Nova PU Vul (1979): A Very Quiet Explosion wi2011

    • 著者名/発表者名
      Kato, M., Hachisu, I., Cassatella
    • 雑誌名

      The Astropjysical Journal

      巻: 727 ページ: id.72 1-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Supersoft X-ray Phase of Single Degenerate Type Ia Supernova Progenitors in Early-2010

    • 著者名/発表者名
      Hachisu, I., Kato, M., Nomoto, K.
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal, Letters

      巻: 724 ページ: L212-L216

    • 査読あり
  • [学会発表] A theoretical MMRD relation and the absolute magnitude of classical novae2010

    • 著者名/発表者名
      Hachisu, Izumi
    • 学会等名
      Physics of Accreting Compact Binaries
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-07-29
  • [備考]

    • URL

      http://lyman.c.u-tokyo.ac.jp/~hachisu/index.shtml

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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