1.衝撃波による電子加熱過程に関連して、反射イオンビームの存在化のもとでのプラズマ不安定モードを調べた。電子温度がイオン温度より著しく高い場合には斜め伝播のイオンプラズマ振動が不安定化することを発見した。このモードは強くイオンを加熱して、イオン音波不安定を抑制するため、超新星残骸の衝撃波において、電子温度が適正に保たれることを見出した。 2.衝撃波で加速された宇宙線イオンの存在により、衝撃波上流プラズマ中に非共鳴の電磁流体不安定が励起されることにより、磁場が大きく増幅されるというBell機構について微視的な観点からの検討を進めた。プラズマ物理の観点でもこのモードが存在することを確認し、その性質の検討を進めている。 3.静電波動モードを考慮した2次フェルミ加速機構の予備的検討を開始した。 4.AGNジェットの高エネルギースペクトルに関連して、ジッター放射によるスペクトルの予備的検討を開始した。 5.HESSのTeV未同定源と関係して、パルサー星雲のスペクトル進化のモデル計算を検討した。
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