研究概要 |
1. 衝撃波で加速された宇宙線イオンの存在により励起される不安定性(Bell機構)の2次元PICシミュレーションを行い、プラズマ物理の観点でもこのモードの存在を確認した。 2. 超新星残骸の上流プラズマ中の中性粒子は衝撃波面を自由に通過した後、下流で電離されピックアップイオンとなる。通常の下流プラズマとピックアップイオンの間のビーム不安定により磁場の増幅など興味ある現象が起こりえることを論じた。 3. 最近、超新星残骸からのGeV-TeVガンマ線放射が観測された。これらは分子雲が付随しており、年齢もそれほど若くはない。セドフ膨張の終期に加速された陽子が分子雲中で起こすπ粒子生成で説明するモデルを構築した。また、超新星残骸周辺では宇宙線は、アルフベン波の励起により自由には逃げられないことを論じた。 4. パルサー星雲のスペクトル進化のモデル計算を行い、いくつかの天体との比較検討を行った。年齢が古くなってもTeV放射は減少しない傾向にあることを示し、TeV未同定源との関係を調べている。 5. ガンマ線連星LS5039のモデルを構築し、TeV, GeV, X線の間の軌道期に連動した相関反相関を定性的に説明することに成功した。 6. フェルミ二次加速やジッター放射の理論的検討を引き続き進めた。
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