研究課題/領域番号 |
20540232
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹内 拓 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 研究員 (40372651)
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研究分担者 |
中川 義次 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30172282)
田中 秀和 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (00282814)
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キーワード | 惑星形成 / 太陽系外惑星 / ベガ型星 / 原始惑星系円盤 / ダスト |
研究概要 |
原始惑星系円盤において、ダストが赤道面に沈殿し、ダスト層ができた際に励起される乱流の強さを解析した。乱流はダスト層形成に伴う種々の流体力学的不安定性によって励起されるが、その乱流の強さが、ガス抵抗によるダストの中心星への落下の際に解放されるエネルギー供給によって決まっていると仮定すると、乱流の強さとダスト層の構造を相補的に決めることができる。また、ダスト層の形成によって、ダストの中心星への落下が妨げられるが、落下速度はどのくらい減少するのか、またダスト粒子の衝突速度がどの程度になるのかも見積もった。これらにより、ダストの成長を研究する上で必要な、乱流の強さ、ダストの落下速度と相対速度を、見積もる手法を開発したので、ダスト成長の計算に今後組み込んでいく。特に、ダスト・ガス比が大きい円盤を考えると、ダストの衝突速度はそれほど大きくならないことを示した。衝突破壊を取り入れた合体成長の計算を行い、そのような円盤では、衝突破壊を起こさずに合体成長できる可能性があることを示した。さらに、ダストが負に帯電することを取り入れて、ダストの合体成長を解いた。負に帯電したダスト粒子はお互いに反発しあうことにより、その成長が著しく妨げられることが分かった。その結果、原始惑星系円盤の広い領域で、ダストの成長が妨げられる。これは、ダストがどのように成長し、微惑星が形成されるのかという問題に対して、大きな問題点を突きつけるものである。
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