研究課題
微惑星形成は、乱流状態にある原始惑星系円盤の中で行われると考えられる。原始惑星系円盤において、赤道面に沈殿したダストが永年重力不安定を起こし微惑星形成にいたるために必要な条件を求めた。これは、前年度の研究で、赤道面にダスト層ができた際に励起される乱流の強さを求めたが、その結果を使うことにより、解析が可能となった。その結果、特に円盤が初期に持っているダスト・ガス比に対して制限が付き、ダスト・ガス比が太陽組成の数倍程度になっていれば、永年重力不安定が起こることを明らかにした。このダストの濃縮は、円盤内でのダストの移動によって実現される可能性があり、これまで難しいとされていた重力不安定による微惑星形成の可能性を示すものである。また、永年重力不安定が起こるには、ダスト層起源以外の要因による乱流の強さが、αパラーメーターに換算して10-5程度以下である必要性を示した。そこで、続いて、円盤が磁気乱流によって進化をする場合を考察した。この場合は、円盤全体が乱流状態となる。この乱流の強さは、円盤を貫く縦磁場の強さに依存する。円盤の密度の進化が磁場の強さの進化に強く依存することを明らかにし、定常降着円盤になる時は、磁場の分布が決まってしまい、磁場がこれより小さいときに、磁気乱流不活性領域に円盤ガスがたまることを明らかにした。この結果は、AL融などの高分解能観測によって検証可能であり、円盤の構造の進化から、磁場の進化を解き明かすことができることを明らかにした。また、ベガ型星に移行しつつあると思われる、遷移円盤と呼ばれる天体のすばる望遠鏡による観測結果の解析に参加し、そのスパイラル構造の解析から円盤の温度などの物理状態を求めることができることを示した。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (12件)
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