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2010 年度 実績報告書

TeVガンマ線連星系における衝突恒星風モデルと降着モデルの評価

研究課題

研究課題/領域番号 20540236
研究機関北海学園大学

研究代表者

岡崎 敦男  北海学園大学, 工学部, 教授 (00185414)

キーワード理論天文学 / ガンマ線天文学 / 大質量連星系 / 数値シミュレーション / 恒星風 / 高エネルギー放射
研究概要

超高エネルギーガンマ線(TeVガンマ線)を放射する連星系の示す複雑な活動性の起源を統一的に理解するために、性質の異なる3つのTeVガンマ線連星系に対して、衝突恒星風モデルと降着モデルに基づく3次元数値シミュレーションを行った。シミュレーションは、光学的に薄い場合の放射冷却を取り込み、分散処理を行うために部分MPI化したコードを用いて行った。主な結果は次の通り。
1. PSR B1259-63(Be星と中性子星の連星系)
パルサー風、Be星恒星風、Be星ガス円盤の間の複雑な相互作用を、Be星ガス円盤の密度を変えて調べたところ、ある密度を境にして衝撃波面の大域構造が大きく変化することがわかった。ガス円盤の密度が小さいときには、,ガス円盤は力学的に重要でなく、衝撃波面の構造はパルサー風とBe星恒星風の相互作用により決まる単純な形状をとる。ところが、ガス円盤の密度がある値を超えると、パルサー風はガス円盤を吹き飛ばすことができなくなり、結果としてパルサーがガス円盤に衝突する現象が生じる。シミューションのデータを用いて放射計算を行ったところ、そのような衝突の時には、パルサーがガス円盤の物質に囲まれ、大さな非熱的放射が出るという結果を得た。これは、なぜ超高エネルギーガンマ線連星系にBe星を持つものが多いのかという問題に一つの解答を与えるものである。
2. LSI±61 303(Be星と中性子星かブラックホールの連星系)
衡突恒星風モデルに基づいたシミュレーションを1周期にわたって行い、その結果を降着モデルの結果と比較したところ、モデルの違いがBe星ガス円盤の構造に観測可能な違いを与えることを見出した。
3. LS 5039(O型星と中性子星かブラックホールの連星系)
降着モデルに基づき高エネルギーガンマ線放射を計算し、観測をほぼ説明できることを見出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Simulations of accretion in binaries formed by an OB star plus acompact object2010

    • 著者名/発表者名
      岡崎敦男
    • 学会等名
      Workshop on Variable Galactic Gamma-Ray Sources
    • 発表場所
      ハイデルベルグ(ドイツ)(招待講演)
    • 年月日
      2010-12-01
  • [学会発表] Interaction between the Be star and the compact companion in TeV gamma-ray binaries2010

    • 著者名/発表者名
      岡崎敦男
    • 学会等名
      日本天文学会2010年秋季年会
    • 発表場所
      金沢大学(金沢)
    • 年月日
      2010-09-23
  • [学会発表] Interaction between the Be star and the compact companion in TeV gamma-ray binaries2010

    • 著者名/発表者名
      岡崎敦男
    • 学会等名
      国際天文学連合シンポジウムNo.272"Active OB Stars"
    • 発表場所
      パリ(フランス)
    • 年月日
      2010-07-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.arc.hokkai-s-u.ac.jp/~okazaki/research.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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