研究概要 |
1. 大質量星生成領域CepA駆動領域からの硬X線を、Chandra衛星によって3つの点源に分離した。うち1つは大質量星原始星HW3cであった。吸収の柱密度(N_H)は10_23cm□2程度であり、Class 0天体候補から得られたものと同程度であった。また、この領域のSpitzer/IRACによる中間赤外線での観測データも解析し、周辺のYSOも含めてClass分けをし、ClassごとのX線特性や、ジェットHerbig Haro 168からのX線についてもスタディした。(Pravdo, S. H., Tsuboi, Y., Uzawa, A, Ezoe, Y. 2009, ApJ740, 1495) 2. 将来の衛星で原始星の降着円盤の形状を測るために有効な、偏光に感度を持つ光学系を開発した。エネルギー帯域に幅を持ち、小さい検出器に集光させS/N比を上げることが可能な、曲率をつけたブラッグ反射鏡を考案し、薄さ50μmのシリコン結晶上にダイヤモンドに準じる硬度を持つDLC(ダイヤモンドライクカーボン)をプラズマCVD法で成膜することにより、内部応力の差で曲率を作り、かつ安定して形状が保てる反射鏡を製作することに成功した(楠、他、天文学会2010年春季年会)。曲率と反射率の関係、DLCの膜厚と曲率の関係についてもスタディした。 3. 星生成領域に大きく広がったX線(石田、他、天文学会2009年秋季年会)、原始星から吹き出すジェットからのX線(鵜沢、他、天文学会2009年秋季年会)のプロパティを明らかにした。 4. 進化の進んだ大質量星からのX線、それが最終的に爆発した超新星残骸からのX線などについてもスタディを行った(Sekiguchi, A et al. 2009, PASJ 61, 629 ; Maeda, Y. et al. PASJ 61, 1217 ;菅原、他、天文学会2009秋季および2010春季年会;山崎、他、天文学会2010春季年会)。
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