日本書紀・続日本紀と日本天文学の発達

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20540241
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 天文学
• 研究機関: 国立天文台
• 研究代表者: 相馬 充 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (30187885)
• 研究分担者: 谷川 清隆 国立天文台, 理論研究部, 特別客員研究員 (80125210) ; 山本 一登 国立天文台, 天文情報センター, 特別客員研究員 (00447898)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 日本書紀 / 続日本紀 / 日本天文学史 / 地球自転速度変動 / 日月食・星食 / 暦法

研究概要

日本書紀と続日本紀にある日食・月食・星食・流星等の天文記録を詳細に調べ,地球自転変動等を考慮する現代の天文学の手法により,それらの天文記録の真偽を明らかにした.その結果,7世紀に日本で観測天文学が始まったこと,7世紀の観測天文学は進歩と衰退が繰り返されたこと,さらに7世紀の終わりから8世紀全体にかけて観測が記録されなくなり,7世紀の終わりに観測天文学が衰退し,天文学に対する態度が変化したことが明らかになった.

研究成果

• [雑誌論文] ΔT around AD 520 from Chinese Records of Eclipses and Occultations (2011)
  • 著者名/発表者名: 相馬充, 谷川清隆
  • 雑誌名: Proceedings of the Fourth Symposium on "History of Astronomy" ページ: 1-4
• [雑誌論文] 『日本書紀』の天文と宗教の関係について (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,渡辺瑞穂子
  • 雑誌名: 「第4回天文学史研究会」集録 ページ: 67-75
• [雑誌論文] 玉葉が書かれた年代の日蝕予報について (2011)
  • 著者名/発表者名: 上田暁俊,谷川清隆,相馬充
  • 雑誌名: 「第4回天文学史研究会」集録 ページ: 89-96
• [雑誌論文] 日本書紀の『地天泰』分類について (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,渡辺瑞穂子
  • 雑誌名: 「第4回天文学史研究会」集録 ページ: 104-109
• [雑誌論文] Solar Eclipse in the First Half of the Chunqui Period (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆, 山本一登, 相馬充
  • 雑誌名: Publications of the Astronomical Society of Japan 62 ページ: 797-809
  • 査読あり
• [雑誌論文] ビデオ観測された水星食の現象時刻の解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 宮下和久,相馬充
  • 雑誌名: 国立天文台報 13 ページ: 15-22
  • 査読あり
• [雑誌論文] 『天の磐戸』日食候補について (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,相馬充
  • 雑誌名: 国立天文台報 13 ページ: 85-99
  • 査読あり
• [雑誌論文] 七世紀の日本書紀の巻分類の事例I (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,渡辺瑞穂子
  • 雑誌名: 国立天文台報 13 ページ: 101-117
  • 査読あり
• [雑誌論文] 奈良時代の天文記録 (2010)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆
  • 雑誌名: 「第3回天文学史研究会」集録 ページ: 36-43
• [雑誌論文] 『天の岩戸』日食候補について (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,相馬充
  • 雑誌名: 「第3回天文学史研究会」集録 ページ: 79-106
• [雑誌論文] 暦象年表改定版の問題点 (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充
  • 雑誌名: 国立天文台報 12 ページ: 1-11
  • 査読あり
• [雑誌論文] Solar Eclipses in the First Half of the Chunqiu Period (2009)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,相馬充,山本一登
  • 雑誌名: 第2回「歴史的記録と現代科学」研究会集録 ページ: 45-58
• [雑誌論文] Earth Rotation derived from Occultation Records (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆
  • 雑誌名: 第2回「歴史的記録と現代科学」研究会集録 ページ: 74-87
• [雑誌論文] 科学通信・科学の動向 七世紀:日本天文学の始まり (2009)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,相馬充
  • 雑誌名: 科学 79 ページ: 713-715
• [雑誌論文] Astrometry of Iapetus, Ariel, Umbriel, and Titania from Eclipses and Occultations (2009)
  • 著者名/発表者名: Mallama A., Soma M., Sada P.V., Modic R.J., Ellington C.K.
  • 雑誌名: Icarus 200 ページ: 265-270
  • 査読あり
• [雑誌論文] 七世紀の日本の天文学 (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆
  • 雑誌名: 「第2回天文学史研究会」集録 ページ: 49-60
• [雑誌論文] 七世紀の日本天文学 (2008)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,相馬充
  • 雑誌名: 国立天文台報 11 ページ: 31-55
  • 査読あり
• [雑誌論文] List of Lunar Eclipses between 1500 BC and 1000 BC (2008)
  • 著者名/発表者名: 相馬充
  • 雑誌名: Publications of the National Astronomical Observatory of Japan 11 ページ: 13-35
  • 査読あり
• [学会発表] ΔT around AD 520 from Chinese Records of Eclipses and Occultations (2011)
  • 著者名/発表者名: 相馬充, 谷川清隆
  • 学会等名: The Fourth Symposium on "History of Astronomy"
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20110114-20110115
• [学会発表] 『日本書紀』の天文と宗教の関係について (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,渡辺瑞穂子
  • 学会等名: 第4回天文学史研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20110114-20110115
• [学会発表] 玉葉が書かれた年代の日蝕予報について (2011)
  • 著者名/発表者名: 上田暁俊,谷川清隆,相馬充
  • 学会等名: 第4回天文学史研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20110114-20110115
• [学会発表] 日本書紀の『地天泰』分類について (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,渡辺瑞穂子
  • 学会等名: 第4回天文学史研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20110114-20110115
• [学会発表] Investigation of the Earth's Rotation using Ancient Chinese Occultation Records (2010)
  • 著者名/発表者名: 相馬充, 谷川清隆
  • 学会等名: The Seventh International Conference on Oriental Astronomy (ICOA-7)
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20100906-20100910
• [学会発表] How were eclipses memorized when there were no astronomers? (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆, 相馬充
  • 学会等名: The Seventh International Conference on Oriental Astronomy (ICOA-7)
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20100906-20100910
• [学会発表] 7～8世紀の日本の天文学 (2010)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆
  • 学会等名: 日本天文学会春季年会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 20100324-20100327
• [学会発表] 「天岩戸」日食候補について (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,相馬充
  • 学会等名: 日本天文学会春季年会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 20100324-20100327
• [学会発表] 奈良時代の天文記録 (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆
  • 学会等名: 第3回天文学史研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20091218-20091219
• [学会発表] 『天の岩戸』日食候補について (2009)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,相馬充
  • 学会等名: 第3回天文学史研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20091218-20091219
• [学会発表] Solar Eclipses in the Chunqiu Period (2009)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆,山本一登,相馬充
  • 学会等名: 第2回「歴史的記録と現代科学」研究会集録
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20090306-20090307
• [学会発表] Earth Rotation derived from Occultation Records (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆
  • 学会等名: 第2回「歴史的記録と現代科学」研究会集録
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20090306-20090307
• [学会発表] 古文書からわかる地球自転と月潮汐項 (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆
  • 学会等名: 第2回「歴史的記録と現代科学」研究会集録
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20090306-20090307
• [学会発表] The Investigation of the Earth's Rotation From Ancient Occultation Records (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充, 谷川清隆
  • 学会等名: C41 Science Meeting, IAU General Assembly
  • 発表場所: Rio de Janeiro,ブラジル
  • 年月日: 2009-08-05
• [学会発表] Japanese astron-omy in the 7th century (2008)
  • 著者名/発表者名: 相馬充, 谷川清隆
  • 学会等名: The Sixth International Conference on Oriental Astronomy (ICOA-6)
  • 発表場所: Townsville,オーストラリア
  • 年月日: 20080707-20080711
• [学会発表] Solar eclipses at sunrise and sunset in the Chunqiu Era (2008)
  • 著者名/発表者名: 谷川清隆, 相馬充
  • 学会等名: The Sixth International Conference on Oriental Astronomy (ICOA-6)
  • 発表場所: Townsville,オーストラリア
  • 年月日: 20080707-20080711
• [図書] 「第4回天文学史研究会」集録 (2011)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆(編集)
  • 総ページ数: 112
  • 出版者: 国立天文台
• [図書] 「第3回天文学史研究会」集録 (2010)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆(編集)
  • 総ページ数: 110
  • 出版者: 国立天文台
• [図書] 第2回「歴史的記録と現代科学」研究会集録 (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充,谷川清隆(編集)
  • 総ページ数: 198
  • 出版者: 国立天文台
• [図書] 「第2回天文学史研究会」集録 (2009)
  • 著者名/発表者名: 山本一登,相馬充,谷川清隆(編集)
  • 総ページ数: 140
  • 出版者: 国立天文台
• [図書] 天体観測の教科書「星食・月食・日食観測編」 (2009)
  • 著者名/発表者名: 相馬充(監修),広瀬敏夫(編集)
  • 総ページ数: 168
  • 出版者: 誠文堂新光社
• [備考] 天の磐戸の日食候補についての研究結果が朝日新聞2010年3月28日付の社会面に「日食ヒントか 邪馬台国の地 神話もとに天文学挑戦」として掲載される。
• [備考] 天文学史や日食・月食・星食に関連する情報をホームページ に掲載している。
  • URL: http://optik2.mtk.nao.ac.jp/~somamt/