1.現象論的予測 光球面からの磁気ループ上昇に伴うループトップフレアについて、研究代表者のオリジナル理論モデルである自己相似リコネクションモデルを検証するための予言的研究を行った。現在の観測技術と機材を用いてモデルの検証を行うためには、生じる現象を多種類予言し、各々の観測可能性を確かめる事が重要である。'07年度末に査読論文誌に投稿済みの単著論文について、レフェリーコメントを元にして改訂し、再投稿した('08.9.4)。再度のレフェリーコメントを受け、現在改訂版投稿準備中である。 2.「ひので」データとの比較 自己相似モデル検証のため、このモデルでしか説明できない現象を示すであろう候補として、まず彩層蒸発に注 目した。当初は'08年初頭から始まると予想されていた新しい太陽活動サイクルでの「ひので」データを用いる1計画であったが、新しい活動サイクルの兆候は今もって見られない。そこで「ひので」の過去のアーカイブデータを用いて、彩層蒸発イベントを探した。その結果、「ひので」の高時間/空問分解能でなけれぼ検出し得ない程小規模かつ短時間の彩層蒸発に伴う上昇流と見られるイベントを多数発見した。この解析結果を共著論文にまとめ、査読論文誌に投稿('09.1.27)し、既にレフェリーコメントを得ている。現在改訂版投稿準備中である。 自己相似リコネクションモデルは、現在注目を集めつつある所である。本モデルおよび上記の研究の進捗に関して、多数講演した。その内訳は以下の通りである。 国内学会(一般講演1)、国際学会(招待講演1)、国内研究集会(一般講演4、招待講演2)、国内研究機関セミナー(招待講演2)、国外研究機関セミナー(招待講演2)。
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