研究概要 |
M理論と呼ばれるスーパーストリング理論を統一的に取り扱う理論において,ブレーンの枚数が複数ある場合の対称性の取り扱いはまだまだ未知の部分が多い。数年前,2次元のブレーンについては私たちの研究によりLie 3代数と呼ばれる新しい対称性変換が本質的な役割を果たしていることがわかった。最近,人々の関心は5次元のブレーンの方に移り,様々な内部対称性の可能性について議論が行われている。我々はnonabelian gerbeという数学的なアプローチを通して,5次元ブレーン上での場の理論の記述を試みている。今のところ,通常のリー代数を用いて一次元次元をコンパクト化した時に現れるD4ブレーンの理論を一般化した形で,定式化を試みている。 また,AGT予想と呼ばれる5次元ブレーンを次元還元した際に現れる2次元理論と4次元理論の対応関係について,W代数と呼ばれる拡張された共形対称性を用いた議論を展開し,その問題点をいくつか明らかにした。
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