(1)SDSS計画に據って得られたデータより各種の物理量を正確に導出、解析、解釈する為には正確な應答凾數の知識を必要とする。我々はSDSS遂行中に應答函數の測定を随時行ってきたがこゝではそれらのデータを整理、出版公開すると共に基準として用ひられるべき應答函數を定義して出版した。 (2)渦巻銀河は円盤とバルヂの二成分を持つ。その二つは異る性質を持ち成因も異るものと考へられてゐる。こゝではSDSSの大サンプルの一部を用い円盤とバルヂに分ける事を試み、各々の示す特性的パラメターが形態論的な銀河の分類に從って如何様に変化するかを調べると共に各々の成分が持つバリオン存在量を算出した。 (3)dustの物理の研究。dustは銀河の進化に封して様々な役割を演ずる。前年度の研究に於てdustが銀河間空間も存する事を見出したが、dustの存在量を推計し此成分を既知成分に足すと宇宙初期より星生成により生成が期待されるdust量と辻褄が合ふ事が判明した(2010年論文出版予定)。このことはdustの生成、存在に封して縛りを與へる故、dust物理の研究に有効なる指針を与へるものとなる。この線に沿ってdustの研究を更に進めた。これは原始惑星系dustの残存存在量の宇宙背景輻射を用ひた研究、遠紫外でのdustの光學的性質のMgII吸収體によるクェーサーの隠蔽を用ひた研究、銀河間吸収雲中のdust存在の研究である。
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