超弦理論の最近の進展により、我々の宇宙は激しく曲がった高次元時空を運動する薄膜とする模型が提唱された(湾曲余剰次元模型)。本研究において、この模型における重力の効果の精査を行った。その結果余剰次元の重力の効果が一般に無視できないことを示した。また、超弦理論的ブラックホールの解において、回転を伴わない場合は高階反対称テンソル場のヘアが存在しえないことを厳密に証明することに成功した。高次元では形状が球ではない場合に、そのようなヘアがあるかどうか自明ではなかったが、今回の研究でそのようなことはありえないことがわかった。
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