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2009 年度 実績報告書

数値相対論による重力波テンプレート構築と重力波データ解析法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20540260
研究機関新潟大学

研究代表者

大原 謙一  新潟大学, 自然科学系, 教授 (00183765)

研究分担者 高橋 弘毅  長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (40419693)
キーワード重力波 / 一般相対論 / 数値シミュレーション / データ解析
研究概要

数値相対論のシミュレーションに関しては,昨年に引き続き大原が中心となって性能評価を行った。特に,本年度は,Nehalem-EPアーキテクチャのIntel Xeon X5550×2のマシンを組み立て,最大8並列での並列計算の性能について,前年度に購入したAMD Opteron 2382を用いたマシンとの比較を行った。その結果,Xeonマシンでは,非並列の計算でもMPIによる並列実行でも。非常に良い能力を発揮することが明らかになった。特に,大きなメモリーが必要な計算では,Opteronマシンの2倍以上の性能を発揮している。これは,メモリー・アクセスのスピードの向上によるものと考えられる。
いっぽう,重力波データ解析に関しては,高橋が主導し,新たに,時系列解析法のひとつであるHilbert-Huang変換を用いた方法の実装に着手した。基本的なプログラミングは完了し,理想的なレーザー干渉計データである静的ガウスノイズ時系列データに,ポスト・ニュートン法で計算したコンパクト連星から放射される重力波信号を埋め込み,Hilbert-Huang変換により,この重力波信号が取り出せるかどうかの検証を行った。その際,データの与え方によっては,明らかに物理的ではない,予期しない振動の出現が起こることが明らかになった。この原因は,intrinsic mode functionを計算する際の極大,極小の抽出方法,あるいは内挿公式として用いている3次自然スプラインの問題と考えられる。また,Hilbert変換の計算には,現在のところFourier変換を用いた方法を採用しているが,計算時間の縮減の点から,これについてもさらなる検討が必要であることが分かった。いずれも,解析方法の原理的な問題ではないので,数値計算方法の改善により修正可能なものと考えらル。これらの研究と並行して,高橋が中心となり,LIGOグループと協力して,従来のmatched filter法をコンパクト連星の重力波信号に関する大規模なテンプレートに適用するという解析方法の実装を進め,十分な性能を示すことができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Template banks to search for compact binaries with spinning components in gravitational wave data2009

    • 著者名/発表者名
      Chris Van Den Broeck
    • 雑誌名

      Physical Review D 80

      ページ: 024009-1-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Observation of a kilogram-scale oscillator near its quantum ground state2009

    • 著者名/発表者名
      B.Abbott
    • 雑誌名

      New Journal of Physics 11

      ページ: 073032-1-13

    • 査読あり
  • [学会発表] Hilbert-Huang変換を用いた重力波探査法の検討2010

    • 著者名/発表者名
      平沼悠太
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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