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2009 年度 実績報告書

数値実験による格子ゲージモデルの相構造の研究とその相転移現象への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20540264
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

一瀬 郁夫  名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20159841)

キーワードゲージ理論 / モンテカルロ法 / 強相関電子系 / 量子スピン / 1 / N展開法 / 相転移
研究概要

本研究においては場の量子論において重要な位置を占めるゲージ理論について、主に計算機を用いた数値シミュレーションにより、その相構造、臨界領域における低エネルギー励起、位相的励起の振る舞い等を調べ、その結果を超伝導、量子スピン系などの物性現象の解明に応用ることを目的とする。
今年度の研究活動においてはまず、極低温光学格子上原子系で実現される強い斥力を持つ原子系の相構造を、高温超伝導現象を記述ずるt-Jモデルを用いて調べた。数値計算により調べた結果は、反強磁性と超流動の共存相の存在を示し、極低温原子系の実験物理学研究者に多くの示唆を与えることとなった。
次に多くの現象で表れる内部自由度を持つ超流動系について調べた。数値実験の結果内部自由度の個数によってその相構造が大きく異なるとの知見を得た。これはこれまでの一般的な考えを崩し、さらなる研究の必要性を示唆した点に意義が認められる。
2次元層構造を持つフラストレートしたスピン系の研究を、Z2ゲージ理論の相構造を調べることにより行った。数値計算による研究結果は種々の相の存在を示唆し、2次元系の反強磁性スピン有機物質の実験的研究に大きな示唆を与えた。
また、近年特に多くの研究者に興味を持たれている強磁性超伝導現象についてモデルを構築し、その相構造を調べる研究を行った。従来の常識を覆す実験結果を再現する可能性が明らかとなった。得られた研究成果については近日中に発表予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Magnetic order, Bose-Einstein condensation, and superfluidity in a bosonic t-J model of CP1 spinons and doped Higgs holons2009

    • 著者名/発表者名
      青木幸司, その他
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B VOL. 80

      ページ: 149510-1-144510-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phase structure and critical behavior of multi-Higgs U (1) lattice gauge theory in three dimensions2009

    • 著者名/発表者名
      小野友義, その他
    • 雑誌名

      Ann.Phys. VOL. 342

      ページ: 2453-2464

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phase structure of Z2 gauge theories for frustrated antiferromagnets in two dimensions2009

    • 著者名/発表者名
      中根一弥, その他
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B 80

      ページ: 224425-1-224425-11

    • 査読あり
  • [学会発表] t-Jモデルの有効理論 : ダブルCP1+U (1) 格子ゲージ理論2009

    • 著者名/発表者名
      中野勇気
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-27
  • [学会発表] スレーブフェルミオンゲージ理論によるt-Jモデルの相構造2009

    • 著者名/発表者名
      青木幸司
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-27
  • [学会発表] フラストレートした反強磁性ハイゼンベルグモデルを記述するゲージ理論の相構造2009

    • 著者名/発表者名
      清水昭宏
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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