量子色力学(QCD)の有効模型を用いて、電荷中性条件下のクォーク物質は臨界点が複数存在する複雑な相構造を持ち得ることを明らかにした。臨界点付近においては、エネルギー揺らぎが支配的になることを示し、その実験的検証方法を提案した。散逸系に対する相対論的流体方程式を「くりこみ群法」により系統的に導出した。QCD物質の「早期熱化」は古典ヤン・ミルズ場のカオス的な振る舞いに帰着され得ることを示した。また、相対論的場の理論による輸送係数の新しい計算方法を開発した。高温ではクォークのスペクトルに超低エネルギーの集団的励起分枝が存在することを明らかした。
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