研究課題/領域番号 |
20540281
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
竹内 幸子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (90251503)
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研究分担者 |
瀧澤 誠 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (90297044)
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キーワード | クォーク反クォーク対 / A(1405) / X(3872) / エキゾチック・ハドロン / 励起ハドロン / クォーク模型 / 理論核物理 / ハドロン物理 |
研究概要 |
本年度は、主にA(1405)と重いクォークの入った中間子X(3872)について研究を進めた。 A(1405):簡単化したバリオン-中間子散乱模型により、共鳴メカニズムについて、クォーク模型によるものとカイラルユニタリー模型によるものとの比較を行った。特に、クォーク模型では質量が実験より高めに予言されているA(1405)に対応するq^3状態を、バリオン-中間子散乱状態の極(q^3コア)として導入する扱いについて議論した。その結果、クォーク模型、および、カイラルユニタリー模型の結果は、共に、適切なバリオン-中間子間相互作用と、必要であればq^3コアを導入することにより、簡単化した模型によって再現される事を明らかにできた。また、(1)カイラルユニタリー模型ではq^3コアを入れずにA(1405)のピークが再現できること、(2)カットオフエネルギーを低くすると、カイラルユニタリー模型でもq^3コアの導入が必要となること、(3)カラー磁気相互作用を基としたクォーク模型ではNK^<bar>「間の引力が弱いためq^3コアの導入が必要であることがわかった。更に、A(1405)の中のq^3コア成分が大きいとK^<bar>N散乱長は小さくなることから、実験値よりq^3コアの重要性を推定できる可能性を示した。 X(3872):この状態はcc^<bar>「コアと結合したD^0-D^<0*bar>2中間子状態であるとし、B→X(3872)Kの遷移強度をGreen関数の方法を用いて調べた。その結果、cc^barコアとD^0-D^<0*bar>「間の遷移相互作用が強ければ、コアを導入しても強度スペクトルにコアに対応するピークが現れないこと、また、コアの無い場合はD^0-D^<0*ba>「の閾値周辺に強度が集まること等を明らかに出来た。更に、コアの有無によってスペクトルの形状が異なることから、実験のスペクトルからコアの重要度が推定できる可能性を示した。
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