研究課題/領域番号 |
20540281
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
竹内 幸子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (90251503)
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研究分担者 |
瀧澤 誠 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (90297044)
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キーワード | X(3872) / クォーク反クォーク対 / エキゾチック・ハドロン / 励起ハドロン / 複素スケーリング法 / クォーク模型 / 理論核物理 / ハドロン物理 |
研究概要 |
本年度は、主に重いクォークの入った中間子であるX(3872)に対するアイソスピンの破れの影響について研究を進めた。 まず、X(3872)を、クォーク4体系とcc^<bar>コアの混合した状態と仮定した。そこに、u-dクォークの質量差および電磁的相互作用から生じるアイソスピンの破れを導入して、X(3872)に対する影響について調べた。その結果、X→J/ψππとX→J/φπππの遷移強度の比が1と無矛盾であるという実験結果を導きうるアイソスピン破れがX(3872)に現れることがわかった。しかし、近距離ではアイソスピンはよい量子数で、非常に浅く幅の狭い結合状態がアイソスピン0のチャネルにのみ存在するということも説明することが出来た。 また、cc^<bar>コアと結合したD^0-D^<0*bar>及びD^+-D^<-*>の2中間子状態であるとした模型で、D^+とD^0の質量差を導入して、アイソスピンの破れの影響を調べた。その結果、この模型でも実験と無矛盾な遷移強度の比が得られた。 更に、D^0-D^<0*bar>、D^+-D^<-*>、J/φ-ρ、J/ψ-ω及び、cc^<bar>をチャネル結合した模型において複素スケーリング法を用いて散乱状態の解析を試み、X(3872)がしきい値付近の共鳴状態である場合でも取り扱える可能性を示した。
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