研究課題/領域番号 |
20540282
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
福山 武志 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション機構, 教授 (40167622)
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キーワード | GUT / orbifold / EDM / SO(10) |
研究概要 |
本年度は、まず国際会議「GUT2012」の世話人代表者としての準備とその理論的背景として、SO(10)GUTのレヴューを書くこと、それと並行して昨年から準備している電気双極子能率(EDM)のレヴューを完成させることが目標でした。 まず「GUT2012」は、2012年3月15日-3月17日まで京都大学基礎物理研で京都大学基礎物理研主催、井上財団共催で盛況裏に行われました。海外招待研究者20名、国内招待講演者は世話人も含めて11名、公募の講演、ポスター参加も多数でした。海外招待者も含めて、旅費支給なしの条件でしたが、多数のトップレベルの研究者が集まり、私が2007年度、立命館大と京大の共催で立ち上げたGUT07とともに、GUTのもっとも重要な会議として世界から認知されるようになったと思います。 SO(10)GUTのレヴューについては、ほぼ完成させました。2012年の7月中にも投稿できると思います。EDMのレヴューは「Searching for New Physics beyond the Standard Model in Electric Dipole Moments」arXiv:1201.4252[hep-ph]として投稿され、IJMPから出版される予定です。 論文としては8月末-9月の台湾出張の成果としてμ-e Conversion With Four Generations.があります。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際会議については、海外の友人の協力のおかげで順調でした。 2つのレヴューについては、いずれも単独の著作となったので(GUTのレヴューについては当初、海外の長年の共同研究者と共作の予定でしたが、相手が多忙のため単著となった)予定より遅れていますが、その分、内容は濃くなっていると思います
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今後の研究の推進方策 |
GUTを4次元から5次元に拡張したため、その根拠を明確にすることが強く望まれます。 単に、そうするとデータとのフィットがよくなるといった問題だけではなく、もっと概念的な必然性があることがわかってきました。それを更に追求します。 また、電気双極子能率の探索は科研費の新学術創生「原子が切り拓く極限量子の世界」の一分野で、私はその研究分担者ですが、GUTにおけるNew PhysicsのCPの破れに根本的に依拠すること、実験家との共同研究もあって私の研究に新たな気風を加えています。もし見つかれば、世界最初のT不変性の直接の破れの発見となる、大発見です。
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