研究概要 |
本年度はニュートリノがマヨラナ粒子で磁気モーメントを持つ場合に、超新星爆発する星の磁場との相互作用によるニュートリノ振動(resonant spin-flavor (RSF) conversion)を考慮して超新星ニュートリノの性質を系統的に調べた。そして、RSF conversionの効果が見られる場合には、RSF conversionによって遷移するニュートリノのフレーバーの組が超新星ejectaの最深部の電子モル分率Yeが0.5を境に変わることが得られた。例えば、Ye<0.5で順質量階層の場合あるいはYe>0.5で逆質量階層の場合には、電子反ニュートリノとμ,τニュートリノとのフレーバー変換が起き、そうでない場合には電子ニュートリノとμ,τ反ニュートリノとのフレーバー変換が起こる。最近の超新星爆発の数値計算から、超新星最深部ではコアバウンス後数秒間Ye>0.5となることが明らかにされた。このことを考慮し超新星爆発時にスーパーカミオカンデで検出される電子反ニュートリノのエネルギースペクトルを予測したところ、我々は特に逆質量階層でニュートリノ混合角sin^22θ_<13>>0.01ではニュートリノの平均エネルギーが爆発後数秒間だけ増加する可能性を得た。このニュートリノスペクトルの時間変化はMSW効果を考慮しただけでは現れず、これはニュートリノがマヨラナ粒子で大きな磁気モーメントを持つことに対する検証になりうることが得られた。この研究成果は年度末現在レター論文を投稿中で、本論文については現在作成中である。
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