研究課題
本年度は超新星ejecta最深部における電子モル分率(Ye)に対する超新星ニュートリノのresonant spin-flavor (RSF) conversionの依存性を調べ、その結果を投稿論文にまとめた。RSF conversionには3つのresonanceがあるが、そのうち高密度に相当するresonanceは超新星ejectaの最深部に位置し、resonanceが断熱的な場合にはニュートリノのflavor変換が起こる。そして、その変換に関与するflavorは1-2Yeの符号に強く依存する。順質量階層でYe<0.5または逆質量階層でYe>0.5の場合には電子反ニュートリノとμまたはτニュートリノの間で変換が起こり、それ以外の場合では電子ニュートリノとμまたはτ反ニュートリノの間で変換が起こる。我々はさらに、過去に行われた超新星爆発の流体力学計算の結果を基に超新星ejecta最深部でのYeの時間変化を仮定し、超新星爆発が起きた場合にSupre-Kamiokandeで検出されるニュートリノのエネルギー分布の特徴を予測した。その結果、ニュートリノの低エネルギー成分に対する高エネルギー成分の比で表したイベント数比を考えた場合に、逆質量階層の場合にはイベント数比が一時的に減少することが得られた。これはMSW効果だけを考慮した場合には現れず、RSF conversionに特有の現象である。元素合成計算としては、共同研究において^<56>Niの新しいニュートリノ-原子核反応断面積を用いて種族III超新星におけるMn生成について調べた。その結果、新しいニュートリノ反応断面積を用いた場合には従来よりもMnの生成量が約1.3倍増加することが得られた。
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Physical Review C 79
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Perspectives in Nuclear Physics, AIP Conference Proceedings 1120
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Physical Review D 80
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