研究概要 |
ニュートリノがマヨラナ粒子で大きな遷移磁気モーメントを持ち超新星を起こす星に非常に大きな磁場がある場合には、超新星爆発時に放出されるニュートリノが星の内部を通過する時にRSF conversionによるニュートリノのflavor変換が起こると考えられている。本研究ではこの効果を考慮して超新星ニュートリノのflavor変換を計算した。そして、ニュートリノ観測装置として100ktの液体Ar検出器を想定し、超新星からのν_e,ν_e event数の振動パラメータ依存性を調べた。その結果、100ktサイズの観測装置を用いればν_eとν_eのevent数の関係からニュートリノ磁気モーメントと振動パラメータを制限しうることが得られた。現在はこの成果を学術論文に投稿中である。 次に、我々はIc型超新星におけるニュートリノ元素合成による軽元素合成を調べた。その結果、Ic型超新星においてもニュートリノ元素合成により^<11>Bが生成されることがわかった。一方、II型超新星で作られる^7LiはIc型超新星では作られないことが得られた。 我々はまたshellモデルを用いて中性子数126の原子核のベータ崩壊半減期を新しく求め、r-過程重元素合成に対する半減期の影響を調べた。その結果、r-過程による重元素合成が質量数195付近まで進む場合には元素合成が従来よりも質量数で1~2進むことが示された。
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