研究課題/領域番号 |
20540296
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
渋谷 寛 東邦大学, 理学部, 教授 (40170922)
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研究分担者 |
小川 了 東邦大学, 理学部, 准教授 (10256761)
三角 尚治 日本大学, 生産工学部, 講師 (80408947)
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キーワード | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 原子核乾板 / エマルション / ECC / 検出器 / 磁場 |
研究概要 |
長基線ニュートリノ振動実験OPERAの本格的なデータ収集が始まった。本研究室からも研究協力者が出張し、ニュートリノ反応の起こった標的ECCブリックを取り出してX線や宇宙線を照射する(ブリックハンドリング)など大きな貢献を行った。その結果、約1700個のニュートリノ反応データを収集できた。現像後の原子核乾板は東濃スキャンニングセンターに輸送されてくるので、このスキャンニングセンターでニュートリノ反応から放出された2次粒子飛跡を逆追跡し、ニュートリノ反応を原子核乾板中に確認した上で、そのブリックの乾板を本研究室に持ち帰った。現在、その下流のタウ崩壊を探索している。 標準的なニュートリノ反応のシミュレーション・プログラム(LEPTO, Geant4など)をインストールし、ECC中で電磁シャワーがどのように発達するかを調べた。 SPring8の2.0GeV電子を照射した標準ECC(1mm厚Pb板とOPERA film積層構造)中で入射電子が何枚まで追跡できるかを調べた。まず、グリセリン膨潤により膜厚を45ミクロン以上に保ち、自動飛跡読取装置の検出効率が90%以上であることを確認した後、電子の追跡を行った。マッチング許容値を広く取り、かつ1枚の認識ミスを許すと、乾板5枚まで約90%の確率で追跡できることがわかった。また、バックグラウンドは低く抑える必要があり、完全なリフレッシュ(蓄積バックグラウンド飛跡の消去)が要求されることがわかった。 高エネルギー加速器研究機構(KEK)の富士テストビームラインにて3.0GeV電子の照射実験を行い、ビームプロファイル(空間的な広がりや角度分布)を得ることができた。
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