研究課題/領域番号 |
20540300
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
静間 俊行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50282299)
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研究分担者 |
豊川 弘之 産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 研究員 (80357582)
大垣 英明 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (10335226)
中田 仁 千葉大学, 理学研究科, 教授 (80221448)
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キーワード | 光核共鳴散乱 / レーザー逆コンプトンガンマ線 |
研究概要 |
鉄領域核の磁気双極子遷移に関する核構造的特徴を明らかにするため、レーザー光と高エネルギー加速電子との相対論的コンプトン散乱よって得られる単色性、直線偏光性に優れた特徴を持つレーザー逆コンプトンガンマ線ビームを用いて、鉄56の光核共鳴散乱ガンマ線の測定実験を行った。光核共鳴散乱実験は、産業技術総合研究所の電子蓄積リング(テラス)施設において行った。エネルギー657MeVと698keVの蓄積リング電子とNd半導体レーザーを用いて、最大エネルギー7.7MeVと8.7MeVの準単色なガンマ線ビームを生成し、鉄56標的に照射した。核共鳴散乱ガンマ線を、高純度ゲルマニウム検出器を用いて測定した。レーザー逆コンプトンガンマ線ビームの偏光面に対する核共鳴散乱ガンマ線の非対称度を測定し多重極度を決定した。また、核共鳴散乱ガンマ線の散乱強度から双極子遷移強度を求めた。さらに、NaIシンチレーション検出器を用いて、入射ガンマ線の強度測定を行った。入射ガンマ線のエネルギー分布は、ゲルマニウム検出器を用いて測定したエネルギースペクトルをモンテカルロシミュレーションコードEGS-4を用いて評価した。得られた実験結果と殻模型に基づく計算値との比較分析を行った。その結果、低エネルギー領域(3MeV)では、軌道スピンによる磁気双極子遷移、一方、高エネルギー領域(6MeV以上)では、核子スピンのフリップによる磁気双極子遷移が主として起きることを明らかにした。
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