大強度ビームの通過に耐えうる強度、冷却性能、遠隔メンテナンス性等を備えたビーム膜の開発・実用化は、J-PARCのような大強度陽子ビームを用いた実験を実現するには必要不可欠なものであり、非常に重要な意義を持つ。大強度ビームライン用ビーム膜の一例として、J-PARCニュートリノ実験施設の一次陽子ビームラインの真空系と標的用ヘリウムガス容器を分離する真空膜に関して、その遠隔メンテナンスの方法の研究を行った。本年度は、ビーム窓の遠隔交換装置や収納キャスクの設計を行うと共に、昨年度までの成果のまとめを行った。これらの研究は、高エネルギー加速器研究機構、英国RAL研究所、カナダ・TRIUMF研究所の研究者・技術者と共同で行った。平成22年8月、茨城県東海村で開かれた国際研究集会The II international Neutrino Summer School and NBI 2010において、研究代表者自身及び協力研究者である高エネルギー加速器研究機構の多田将氏、カナダ・TRIUMF研究所のClive Mark氏が講演を行い、世界の関係研究者等に研究成果の紹介を行った。
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