研究概要 |
平成21年度は主に以下の3点の研究を行った. ・ MEM解析に基づいて電場ベクトルを計算するプログラムを開発し,全ての空間群に対応させる ・ 各原子の価電子数を様々な定義に従って解析的に計算する手法の開発 ・ 静電ポテンシャルや電場ベクトルを3次元で可視化するプログラムの開発 価電子数の数え方には,マリケン電荷による方法,ボロノイ多面体による方法,電荷密度勾配を用いる方法などさまざまな方法があるが,それぞれの定義に従って価電子数を計算するプログラムの開発を行った.これにより電荷秩序や電荷移動,結合状態の解析等が可能となった. また,3次元可視化プログラムでは, ・ 任意の結晶面における静電ポテンシャルの等高線図を描く ・ 等電子密度面を静電ポテンシャルの大きさで色付けする ・ 電場ベクトルを3次元のベクトル線図で描く ・ 上記を組み合わせた図形を描く といった機能を持たせた.我々の開発したLimneriは,オープンソースでマルチプラットフォームをサポートするグラフィックスエンジンであるGTKを用いている.そのため,WindowsからMac OSX, Linuxなど幅広いOSで利用が可能である.
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