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2010 年度 実績報告書

3d遷移金属化合物系のバルク敏感硬X線光電子分光の理論

研究課題

研究課題/領域番号 20540324
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

田口 宗孝  独立行政法人理化学研究所, 励起秩序研究チーム, 研究員 (10415218)

キーワード硬X線光電子分光 / 3d遷移金属化合物 / 配置間相互作用模型 / コヒーレント状態 / 金属絶縁体転移
研究概要

本研究の主要テーマである、3d遷移金属化合物系の硬X線光電子分光(HX-PES)における(1)CrNの金属絶縁体転移に伴う電子状態変化の機構解明と(2)コバルト添加の二酸化チタンの電子状態研究において大きな前進があった。
(1)本研究では、窒化クロムCrNの電子状態と金属絶縁体転移の機構解明のため、硬X線光電子分光等を用いて詳細に解析した。その結果CrNは電子相関の非常に強い絶縁体から反強磁性金属への転移を示していることが明らかとなった。遷移金属化合物では反強磁性絶縁体から相関の強い金属への転移を起こすのが通常であるが、今回の我々の解析により、CrNは絶縁体から反強磁性金属への非常に珍しい相転移を起こしていることが明らかとなった。
(2)コバルト添加の二酸化チタン(Co:TiO_2)薄膜は、大気中でも極めて安定な物質であり、室温より高い温度でも磁石としての性質を失わないため、スピントロニクス材料として非常に期待されている。また、我々の目に見える光(可視光)に対してほぼ透明であるため、光通信で用いられる光アイソレータなどの光機能素子にも応用することが可能である。本研究は、このコバルト添加の二酸化チタンの電子状態を硬X線光電子分光等で詳細に解析した。その結果、二酸化チタン薄膜表面では、金属的な性質を表すフェルミ端が存在しないため半導体的な性質を示す一方で、薄膜内部では、フェルミ端が存在し金属的な性質を示すということを見いだし、薄膜の表面と内部では電気伝導特性に違いがあることを突き止めた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Role of Ti 3d Carriers in Mediating the Ferromagnetism of Co:TiO_2 Anatase Thin Films2011

    • 著者名/発表者名
      T.Ohtsuki
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 106 ページ: 047602(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Strong Evidence for a correlated insulator to antiferromagnetic metal transition in CrN2010

    • 著者名/発表者名
      P.A.Bhobe
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 104 ページ: 236404(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Strong Valence Fluctuation in the Quntum Critical Heavy Fermion Superconductor β-YbAlB_4 : A Hard X-ray Photoemission Study2010

    • 著者名/発表者名
      M.Okawa
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 104 ページ: 247201(1-4)

    • 査読あり
  • [学会発表] Pu薄膜の4f光電子分光2010

    • 著者名/発表者名
      田口宗孝
    • 学会等名
      磁性分光研究会
    • 発表場所
      京都大学化学研究所
    • 年月日
      20101105-20101106
  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.jp/lab/riken-sx/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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