研究課題
強磁性体/誘電体界面を利用した二層構造体界面を決定するために、電子相関の効果を考慮した第一原理film-FLAPW(full-potential linear augmented plane-wave)法及び構造最適化を行うためのプログラムを開発し、コランダム型結晶のCr_2O_3反強磁性誘電体の表面及びCr_2O_3/Pt界面の構造決定を行った。Cr_2O_3(0001)表面に対して、表面への原子の吸着構造により電子構造が顕著に変化すること、Oイオン層にCrイオンが1層吸着した表面構造がエネルギー的に安定であることを明らかにした。Cr_2O_3/Pt界面も対して、Cr_2O_3面におけるCrイオンとOイオンのホローサイトにPt原子が位置した界面構造がエネルギー的に安定になること、界面構造の緩和効果により界面Cr磁気モーメントの向きが反転し、磁気構造が界面構造に強く依存することを明らかにした。さらに、Fe/MgO界面に対して結晶磁気異方性の計算を行った結果、Fe薄膜の結晶磁気異方性を外部電場印加により制御できること、特に、Fe層とMgO層の界面にFeO層が形成された場合、外部電場を印加することにより磁気容易軸が界面の面直方向から面内方向に変化することがわかった。引き続き、界面におけるノンコリニア磁性を考慮したスピン依存電流計算をするためにボルツマン方程式に基づく電気伝導のプログラム開発を開始し、有限温度効果を考慮した計算手法について検討を開始した。
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