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2008 年度 実績報告書

極低温まで磁気秩序化を示さない初めての希土類フラストレート化合物の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20540344
研究機関埼玉大学

研究代表者

小坂 昌史  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20302507)

キーワード強相関電子系 / 磁性 / フラストレーション / 低温物性 / 希土類金属間化合物 / 中性子散乱 / 核磁気共鳴 / 放光射
研究概要

本計画の研究対象である希土類金属間化合物YbAl3C3は4f電子系としては初めての例となる、結晶格子の幾何学的フラストレーションを背景としたスピンダイマー形成を生じる物質である。本年度の成果を下記に記す。
・放射光X線回折実験を行い、80Kの相転移において微小な構造変化を発見した。80Kの転移温度を境に、六方晶から斜方晶へ対称性が低下するものの、Yb原子の変位は0.2%程度と僅かであることが構造解析より明らかになった。この微小な構造相転移が低温でのスピンダイマー形成に一役買っている可能性が高く、Yb,A1,Cの低温相での原子位置を確定できたことは今後、考察を進める上で大きな意義を持っている。[発表論文2件目]
・27A1核による核磁気共鳴(NMR)/核四重極共鳴(NQR)実験を行い、80Kの相転移に伴うA1位置での内部磁場と電場勾配の変化を調べた。NQR測定からは対称性の低下に伴う共鳴線の分裂が観測され、放射光X線回折実験より明らかになった構造相転移モデルと矛盾の無いことが分かった。NMR測定からは80K以下で共鳴線のブロードニングが観測され、その特性温度が磁揚とともに高温側に移動することが明らかになった。これは、80Kの構造相転移で4f電子状態が変化していることを強く示唆する重要な結果である。[発表論文3件目]

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 27Al NMR/NQR Studies of YbAl3C32009

    • 著者名/発表者名
      T. Mito, M. Kosaka, 他8名
    • 雑誌名

      Journal of Physical Society of Japan 78

      ページ: 014709(7)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spin-Singlet Ground State in the Two-Dimensional Frustrated Triangular Lattice: YbAl3C32008

    • 著者名/発表者名
      Y. Kato, MKosaka, 他9名
    • 雑誌名

      Journal of Physical Society of Japan 77

      ページ: 053701(4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural Phase Transition in the Spin Gap System YbAl3C32008

    • 著者名/発表者名
      T. Matsumura, M. Kosaka,他8名
    • 雑誌名

      Journal of Physical Society of Japan 77

      ページ: 103601(4)

    • 査読あり
  • [学会発表] YbAl3C3の低温相結晶構造とスピンギャップ形成2008

    • 著者名/発表者名
      松村武,小坂昌史,他8名
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-20
  • [備考]

    • URL

      http://www.phy.saitama-u.ac.jp/hp/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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