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2010 年度 実績報告書

極低温まで磁気秩序化を示さない初めての希土類フラストレート化合物の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20540344
研究機関埼玉大学

研究代表者

小坂 昌史  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20302507)

キーワード強相関電子系 / 磁性 / フラストレーション / 低温物性 / 希土類金属間化合物 / 中性子散乱
研究概要

本計画の研究対象である希土類金属間化合物YbAl_3C_3は4f電子系としては初めてとなる、結晶格子の幾何学的フラストレーションを背景としたスピン二量体化現象を示す物質である。本年度の研究成果を下記に記す。
・スピン二量体化現象を示す新たな希土類金属間化合物の探索
4f電子系におけるスピン二量体化現象をより深く理解するためには、YbAl_3C_3に関する研究のみならず同様の基底状態を実現する物質を開発し、その発現機構を探っていく必要がある。探索指針としてはYbAl_3C_3が持つ結晶構造の2次元性と伝動電子濃度の低さ(少数キャリアー)という特徴を併せ持たせるために、軽元素ならびにプニクトゲン、カルコゲン等の電気陰性度の高い元素を構成元素に持つ物質系を中心に合成を試みた。その結果、Yb_3F_4S_2、RNiP(R=La-Er)を初めとする物性報告がなされていない新物質を数種類作成することができた。スピン二量体化と考えられる現象を本年度内には観測するには至らなかったが、物質開発は今後も継続していく予定である。
・強磁場下での超音波による弾性定数測定
スピン二量体化現象を生じさせる背景となる、80Kにおける構造相転移での電子状態の変化の有無を観測するために、強磁場下での超音波実験を行った。その結果、20T以上で磁場の増加に伴い弾性定数のソフトニングが抑制される振舞を示した。これは以前行ったNMR等の結果とも整合し、電子系が深く寄与した相転移であることを改めて浮き彫りにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] YbAl_3C_3のパルス磁場中超音波測定2010

    • 著者名/発表者名
      七宮史崇,吉澤正人,三田村裕幸,中西良樹,小坂昌史,榊原俊郎,金道浩一
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-23
  • [学会発表] Inelastic neutron scattering study of spin gap formation in YbAl_3C_32010

    • 著者名/発表者名
      D.T.Adroja, M.Kosaka, 他10名
    • 学会等名
      International Conference on Strongly Correlated Electron Systems
    • 発表場所
      米国,ニューメキシコ州,サンタフェ
    • 年月日
      2010-06-29
  • [備考]

    • URL

      http://www.phy.saitama-u.ac.jp/hp/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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