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2009 年度 実績報告書

非調和フォノンによる重い電子系の形成と超伝導の発現

研究課題

研究課題/領域番号 20540347
研究機関東京大学

研究代表者

上田 和夫  東京大学, 物性研究所, 教授 (70114395)

キーワード物性理論 / 強相関電子系 / 低温物性 / 磁性 / 近藤効果
研究概要

非調和フォノンと結合した電子系のグリーン関数については二次摂動の範囲で結果が求められた。超伝導転移温度については、非調和フォノンの最低励起エネルギーがカットオフエネルギーの役割をし、非調和性は比較的大きな結合定数として取り入れられることが明らかになった。
非調和フォノンの集団と電子系とが結合した系の特徴を調べるために一次元ホルシュタインモデルを量子モンテカルロシミュレーションによって研究した。無秩序相とダイマー相の相境界を求め、各相の特徴を電荷秩序変数、ダイマー秩序変数および電荷とスピンの相関関数を調べることによって明らかにした。
籠状構造の中に磁性イオンが閉じ込められている場合の質量増強を研究するために、振動するイオンの近藤効果について考察することを始めた。磁性イオンに局在した電子軌道と伝導電子の間の重なり積分を、イオンの座標によって展開することにより、一般化されたアンダーソンモデルを導出した。もっとも単純な場合として局在軌道がs軌道である場合を考えると、それと混成する伝導電子はs波の部分波であるが、フォノンを媒介にするとさらにp波の部分波も遮蔽に参画するようになる。この系に対して、数値くりこみ群のプログラムを開発した。低温領域では、通常のs波近藤効果に加え、フォノンにアシストされたp波近藤効果が可能となり、さらにフォノンとの結合が強ければポーラロン状態が形成される可能性があることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 籠状構造中の非調和格子振動の理論的研究2009

    • 著者名/発表者名
      上田和夫
    • 雑誌名

      日本物理学会誌 64

      ページ: 378-382

    • 査読あり
  • [学会発表] カゴ中を振動する磁性イオンの近藤効果2010

    • 著者名/発表者名
      屋敷賢,桐野俊輔,上田和夫
    • 学会等名
      日本物理学会第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-20

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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