研究概要 |
(1) 層状窒化物超伝導 層状窒化物MNC1 (M=Hf, Zr)に対して第一原理計算のバンド構造を再現する有効模型を構築し、スピン揺らぎ媒介によるd波超伝導の可能性を提唱した。ギャップのバンド・フィリング依存性を議論し、実験との対応を検証しつつある。 (2) 鉄ニクタイド超伝導 新しく発見された鉄ニクタイド超伝導体に対して、第一原理計算を元に5バンドの有効模型を構築し、非連結フェルミ面を有効に利用したスピン揺らぎ媒介メカニズムを提唱した。この有効模型はその後、国内外の多くの理論グループに用いられている。 (3) 新規超伝導探索 銅酸化物、鉄ニクタイド化合物以外のd電子系高温超伝導体を探索するため、既存物質以外の第一原理計算に基づく有効模型構築に着手した。 (4) 熱電効果 LiRh_2 O_4, CuRhO_2, LaRhO_3の大きな熱起電力の起源をバンド構造の観点から明らかにした。また、LaCoO_3, SrTiO_3の大きな熱起電力の起源についても、研究に着手した。
|