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2010 年度 実績報告書

強磁性に近い遍歴電子系チタンコバルトの超伝導

研究課題

研究課題/領域番号 20540361
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

小田 祺景  兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 客員研究員 (50029526)

キーワード強相関電子系 / 金属物性 / 物性実験 / 超伝導 / 磁性
研究概要

我々が報告したTiCoの超伝導は、3d-band化合物でかつ強磁性に近い遍歴電子系では初めての超伝導として大変興味深い。我々の最終目標は、TiCoにおける超伝導の特性や磁性との相関を明らかにすることであるが、超伝導転移温度が低いためにこの目的を達成することは容易ではない。
我々はまず、常伝導状態における物性を明らかにするために、電気抵抗、比熱、直流磁化率の測定を行った。その結果、これらの物性は強磁性に近い物質特有の性質を持っており、理論と矛盾しないことが明らかになった。また、この物質は微量の強磁性クラスターを含むことが明らかになり、典型的な磁気余効が観測されることがわかった。これが低温における比熱の異常、低磁場における磁化の異常として現れることがわかった。今年度は超伝導転移温度と磁気余効との関係を詳しく調べた。その結果、磁気余効の原因となっている微小な強磁性クラスターの大きさと量が超伝導転移温度に敏感に関係していることがわかってきた。これらの結果を平成22年秋の物理学会で発表し、平成23年夏の低温国際会議(LT26北京)で発表する予定である。
超伝導と磁性との関係を研究するためには比熱や核磁気共鳴の実験が有力である。これらの実験を30mK以下で実施することはなかなか困難なので、超伝導開始温度を少なくとも80mK位まで上げることが求められる。我々は試料の改良を試みたが、残念ながら、超伝導転移温度を50mK以上に上げることはできなかった。LaPt3Siは3d-band化合物ではないが強相関係という観点からはTiCoと共通している。幸いこの物質の超伝導転移温度は0.5K以上なので我々の技術と装置で比熱などの測定が可能である。研究室スタッフと協力して、関連研究としてこれらの測定を行ったので併せて報告する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Superconductivity and Magnetic Aftereffects in … TiCo2011

    • 著者名/発表者名
      Yasukage Oda, Gaku Motoyama, …
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Conference Series

      巻: (In Press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Specific Heat on the Non-centrosymmetric Superconductor LaPt3Si2011

    • 著者名/発表者名
      M Shiotsuki, G.Motoyama, Y Oda, …
    • 雑誌名

      J.Phys.Soc.Jpn.Suppl.

      巻: (In Press)

    • 査読あり
  • [学会発表] TiCoの超伝導と磁気余効2010

    • 著者名/発表者名
      塩月聖博、本山岳、小田棋景、…
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
    • 年月日
      2010-09-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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