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2010 年度 実績報告書

キラル自触媒化学システムにおける空間不均一性の成長が光学純度にもたらす効果の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20540380
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

朝倉 浩一  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30222574)

キーワードキラル対称性の破れ / 散逸構造 / キラル自触媒反応 / 不斉増幅反応 / 結晶成長 / 悲線形動力学モデル / 国際情報交換 / アメリカ
研究概要

ピリミジンアルデヒド誘導体とジイソプロピル亜鉛との反応により、不斉アルコール類が合成されるSoai反応においては、自発的にランダムに高光学純度の生成物が生成される。本研究では、この現象は化学系の空間不均一性の自触媒的成長によるものと想定し、Soai反応系の挙動を包括的に予測できるモデルを構築することを目的とするものである。平成20および21年度の研究において、Soai反応系においてはピリミジンアルデヒド誘導体の芳香族環にイソプロピル基が直接付加する副反応が競争的に振る舞い、生成物が高収率および高光学純度となる場合と、低収率および低光学純度となる場合に分岐することを見いだしている。平成22年度においては、この分岐現象が発生するメカニズムを考察するための非線形動力学モデルの構築を試みた。その結果、ジイソプロピル亜鉛と不斉アルコール類の錯体が二量化することによりキラル自触媒種として機能するとしたモデルが、実際の実験結果を再現することが見いだされた。そして、このモデルの完成により、定性的にではあるがSoai反応系の挙動を包括的に予測することが可能となったため、それを報告するための論文の執筆を開始した。また、Soai反応と同様に自発的にホモキラルな状態を発現させる化学反応系として、マンニッヒ反応生成物をトルエン溶媒中において、その懸濁液を攪拌することで光学純度が上昇する例が報告されていることから、その光学純度上昇機構について検討を行った。その結果、このマンニッヒ反応生成物は固相において自然分晶しており、溶液相に常に飽和状態で溶解している両鏡像異性体が等速度で分解されるため、両異性体の存在比が徐々に増加するだけであり、不斉増幅が起こっているのではないことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マンニッヒ反応生成物懸濁液の連続撹拌において観察される光学純度の自発的上昇機構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      松野達也、朝倉浩一
    • 学会等名
      第20回「非線形反応と協同現象」研究会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2011-01-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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