研究課題
本研究では、イオン液体系などの大きな揺らぎを持つ流体系での界面のダイナミクスを、特にイオン液体に力点をおいて研究した。具体的には、流体間の界面に生じる表面張力波(リプロン)を動的光散乱法により検出し、その分散関係、すなわち振動数及び減衰定数を波数の関数として求め、物性定数との関係を調べた。さらに、その表面波スペクトルに対する理論的な検討を行った。粘弾性緩和を示すような複雑な液体においては、表面張力波と表面弾性波とのクロスオーバーや、複数のピークの出現などの現象が見られる。これらを理解するために、スペクトル関数を表面局在モードの寄与とバルク・シアモードの寄与に分解し、さらに部分分数展開を用いてスペクトル関数をピークごとに分解した。このような計算により、スペクトル関数の極以外にもピークが現れ、これがバルク・シアモードに寄与することがわかった。これらの理論的な結果を実験データの解析に適用する方法について現在検討中である。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Physical Review E
巻: 83 ページ: 031605-1-"031605-12"
Appl.Phys.Lett.
巻: 96 ページ: 233101-1-"233101-3"
Journal of Physics B : Atomic, Molecular and Optical Physics
巻: 43 ページ: 185207-
http://www.it-hiroshima.ac.jp/OOroot/pdf/future_2010_23.pdf