イオン液体をはじめとする、大きな揺らぎを持つ液体の表面波のスペクトルを、動的光散乱法によって調べた。様々なイオン液体を系統的に調べることにより、その表面波にはクーロン相互作用とvan der Waals相互作用の両方が影響していることがわかった。また、イオン液体の表面波は室温付近で減衰振動から過減衰へ転移することが見出され、その転位近傍の過減衰領域では早い緩和と遅い緩和が、減衰振動領域ではバルク・シアモードの寄与が初めて観測された。さらに粘弾性液体表面波を理論的に調べ、表面張力波と弾性波モードとの間のクロスオーバーや、分散関係の詳細を明らかにした。
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