研究概要 |
本研究の目的は、「メルト包有物」という特殊かつ微小な岩石試料を用いて、国内の巨大カルデラを形成した噴火のマグマの揮発性成分濃度を決定し、マグマ溜まり内の揮発性成分(主として,H_2O,CO_2,S)の濃集と発泡がカルデラ噴火において果たした役割を検証することである。 本研究によって、 95,000 年前に起きた鬼界カルデラの鬼界葛原噴火では噴火直前に圧力低下によってマグマ溜まりが発泡していたことが明らかになった。また、同カルデラの 7,300 年前の鬼界カホヤ噴火においては、圧力低下および深部マグマからのガス供給という 2 つのプロセスでマグマ溜まりが発泡したことが明らかになった。さらに、本研究の成果として、 メルト包有物の SIMS 分析技術が改良されたこと、 他の 4 つのカルデラ噴火 (姶良、阿多、阿蘇 3 および 4)についての研究準備が整ったことが挙げられる。
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