研究課題
1.ケープダンレーポリニヤの下流域における係留観測データの解析2008-09年の係留観測で得られた底層での流速、水温・塩分の連続データの解析を進め、ポリニヤの下流側では、ポリニヤでの盛んな海氷生産に起因して、上流側とは明らかに底層水の特性が異なることなどを明らかにした。これらの成果については、国内外の学会で発表を行った。2.ケープダンレーポリニヤ内およびその下流域における係留系の回収と設置日本南極観測隊に参加し、2011年2月末に砕氷艦「しらせ」によって、ケープダンレーポリニヤ内で2010年2月に設置した氷厚計を含む係留系(2系)の回収を行い、良好なデータを取得することに成功した。また、同じ航海中には、ポリニヤの下流域において南極底層水の流出量を見積もるための係留系(5系)の設置も同時に行った。この5系の係留系については、2年後の2013年2月に回収する予定で、無事にデータが取得出来れば、この海域で生成される南極底層水の量を正確に見積もることが初めて可能となる。3.南極海における海氷のマイクロ波放射計による現場観測日本南極観測隊の「しらせ」の氷海航行時には、人工衛星に搭載されているものと同じマイクロ波放射計を「しらせ」に取り付け、現場観測を実施した。また、このデータの取得時には、電磁誘導式センサーと目視による氷厚の観測を同時に実施したので、マイクロ波放射計のデータと海氷の厚さを直接比較することが可能となっている。よって、これらのデータは、人工衛星搭載のマイクロ波放射計のデータから海氷厚を見積もるアルゴリズムの改良に資することになる。
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http://wwwod.lowtem.hokudai.ac.jp/kaiyodotai.html