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2011 年度 実績報告書

カービング氷河の変動と氷河前面湖とのフィードバック仮説の検証とモデル開発

研究課題

研究課題/領域番号 20540430
研究機関広島工業大学

研究代表者

内藤 望  広島工業大学, 環境学部, 教授 (90368762)

キーワード氷河変動 / 氷河湖 / ブータン・ヒマラヤ / カービング / ペリート・モレノ氷河 / パタゴニア
研究概要

前年度までの現地観測を通じて取得したデータを解析して、ブータン・ヒマラヤにおける氷河縮小実測値をとりまとめ、学会発表するとともに、執筆論文も受理された(印刷中)。この論文は、ブータンの4氷河において反復実施した測量結果から縮小量を算出するとともに、その他の多数の小型氷河の縮小や氷河湖の拡大を示す比較写真もあわせて整理し公表するものである。これまでブータンにおける氷洞変動を定量的に示す研究例は極めて限られていることから、本論文の意義は大きいものと言える。また、測量対象としたうちの2氷河における縮小量および表面流速分布の差異は、本研究課題におけるフィードバック仮説を支持する内容となっている。
一方、南米パタゴニア氷原ペリート・モレノ氷河における現地観測の解析成果が、国際的に高い評価を得ている学術雑誌上に、共著論文として発表された。この内容は、同氷河下流部における氷河底の水圧と氷河流動速度との高い相関を示しており、本研究課題におけるフィードバック仮説をも裏づけている。さらに同氷河末端部における氷崖の位置や流速と氷河前面湖の水位との関係についても解析を進めたが、年度内の論文完成までには至らなかった。近年のうちに論文として出版できるよう、引き続き解析、考察を進める予定である。
さらに、研究成果の社会還元の一環として、産官学連携講演会における講演や専門分野の異なる学会での招待講演等を積極的に引き受けた。一般的にはあまり馴染みのない、氷河変動のメカニズムやその影響について分かりやすく紹介することで、地球環境問題をより具体的に考えて頂くための啓蒙となったと言えよう。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Recent glacier shrinkages in the Lunana region, Bhutan Himalayas2012

    • 著者名/発表者名
      Naito, N., 他7名
    • 雑誌名

      Global Environmental research

      巻: 16(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ice speed of a calving glacier modulated by small fluctuation in basal water pressure2011

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama, S., N. Naito, 他6名(3番目)
    • 雑誌名

      Nature Geoscience

      巻: Vol.4, No.9 ページ: 597-600

    • DOI

      doi:10.1038/ngeo1218

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒマラヤにおける氷河変動と氷河湖決壊洪水2011

    • 著者名/発表者名
      内藤望
    • 学会等名
      電気・情報関連学会中国支部連合大会
    • 発表場所
      広島工業大学(広島県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-22
  • [学会発表] 2010年秋期ブータン・ヒマラヤにおける小型氷河の変動調査報告2011

    • 著者名/発表者名
      内藤望, 他5名
    • 学会等名
      雪氷研究大会(2011・長岡)
    • 発表場所
      ハイブ長岡(新潟県)
    • 年月日
      2011-09-20
  • [学会発表] 現地踏査に基づくブータンヒマラヤの氷河湖の決壊危険度評価2011

    • 著者名/発表者名
      Ghalley, K.S., 内藤望, 他4名
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2011年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2011-05-22
  • [学会発表] Calving glacier dynamics controlled by subglacial water pressure close to ice overburden pressure in Glaciar Perito Moreno, Patagonia2011

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama, S., N. Naito, 他6名(3番目)
    • 学会等名
      EGU General Assembly 2011
    • 発表場所
      Vienna, Austria
    • 年月日
      2011-04-07
  • [図書] Encyclopedia of Snow, Ice and Glaciers(うちSummer accumulation type glaciers項を執筆)2011

    • 著者名/発表者名
      Naito, N.(部分執筆)
    • 総ページ数
      1254(執筆頁:1107-1108)
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2013-06-26  

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