研究課題
アクチノライト片岩、また今回の調査で明らかになったそれと密接に伴う金雲母片岩は、汗見川デタッチメント断層など、D2断層構成物として、産する。周囲に、現在岩石名を薄片で検討中であるが、超塩基性岩? か片玄武岩? 、石灰質片岩、珪質片岩を伴うことがある。従って、断層の起源はマントルと海洋地殻、また一面ではメランジェであって、この断層は初生的には海溝型地震を引き起こした断層と考えられる。これらを念頭に解析を進めている。デタッチメント断層とその他の断層は、上記のアクチノライト片岩をマーカーとすると、東西に良好に連続して、追跡できる。つまり、ガーネット帯や黒雲母帯の高度変成岩は東西に連続した分布をもつ。ところが、東方の高知自動車道路の谷で、高度変成岩の分布は途切れ、谷には緑泥石帯の低度変成岩のみが分布している。これは両者間に、今回、新発見の蛇野アオウトオブシークエンス断層(新称)が存在するためである。一方、高度変成岩分布域の南方では、蛇野OSTは緑泥石帯の中、多色凝灰岩起源のLテクトナイトの下盤を通過していて、ここで緑泥石帯は蛇野OSTを境に2分される。従って、汗見川流域の高度変成岩と緑泥石帯のLテクトナイトは根無しである。最初に、デタッチメント断層でこれらは緑泥石帯に対して、エクスヒュームした。直後に、OSTで、これらは切断された。今年度に調査予定の東赤石の山塊をなすエクロジャイトなどの高度変成岩も根無しである可能性が高い。沖縄本島の基盤岩にも、デタッチメント断層があり、本島中・北部全域のとりまとめも行った。5万分の1地質図付きの解説書は、原稿は完成し、今年度、出版予定である。
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Geological Society of America Bulletin 120(in press)
Journal of Asian Earth Asciences 33
ページ: 337-352
Frank Columbus (Editor), Structural Geology Research, Nova Science Publishers, Inc
ページ: 1-19
http://www.dges.tohoku.ac.jp/~osozawa