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2009 年度 実績報告書

三波川高圧型変成岩のエクストルージョンウェッジ

研究課題

研究課題/領域番号 20540441
研究機関東北大学

研究代表者

遅澤 壮一  東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40160866)

キーワード三波川変成岩 / エクストルージョン / デタッチメント断層 / アクチノ閃石片岩 / 超塩基性岩 / エクロジャイト / OST / 海溝型地震
研究概要

超塩基性岩起源のアクチノライト片岩を伴うことで特徴付けられる、汗見川デタッチメント断層など、高度変成帯を限るD2正逆断層は、汗見川流域から、2009年度に調査した北西の別子地域に、そのまま連続することを確認した。つまり、オリゴクレース-黒雲母帯の延長に、東赤石のエクロジャイトが位置していて、これらがエクストルージョンで、最もエクスヒュームされた変成帯となる。エクロジャイトの北側境界は正断層、南側境界は逆断層である。
エクロジャイトを含む高度変成帯は、しかし、別子地域でも、D2の蛇野アオウトオブシークエンス断層で、下盤の緑泥石帯の低度変成帯と明瞭に区分されることを確認した。蛇野アオウトオブシークエンス断層は低角であるが、緩く褶曲しており、またバックスラストも上盤側に見られ、複雑な構造形態をもっている。いずれにせよ、エクロジャイトを含む高度変成帯は構造的に根無しで、現在、中央構造線である三波川帯と領家帯との境界には、高度変成帯の由来となった失われた地帯があった。
別子地域南方の、中七番では、緑泥石帯の構造的下位に、変成タービダイトを確認した。これは従来通り、大歩危地域のそれに相当するものである。大歩危地域でもその境界断層を、地質学会の巡検の機会に、観察できた。
石垣島では、変成帯の境界断層に、超塩基性岩が見られる。変成岩のエクストルージョンには始新統の野底層と宮良層も参加しており、エクスヒョウーメイションは始新世である。野底層の火山岩は、ガブロや超塩基性岩をも伴う、前弧オフィオライトと捉えることができる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sedimentary block-in-matrix fabric affected by tectonic shear, Miocene Nabae complex, Japan2010

    • 著者名/発表者名
      Osozawa, S., Pavlis, T., Flower, M.
    • 雑誌名

      Melanges : Processes of Formation and Societal Significance, Geological Society of America Special Paper John Wakabayashi and Yildirim Dilek (Editors)(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Block-in-matrix structure lacking shear fabric : Sedimentary melange of the Yuwan complex, Ryukyu Islands, Japan2009

    • 著者名/発表者名
      Osozawa, S., Morimoto, J., Flower, M.
    • 雑誌名

      Geological Society of America Bulletin 120

      ページ: 1190-1203

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 荒砥沢ダムにおける2008年岩手・宮城内陸地震(M6.9)の地表地震断層:後期中新世カルデラ縁正断層が再動した逆断層2009

    • 著者名/発表者名
      遅沢壮一
    • 雑誌名

      地球科学 63

      ページ: 321-326

    • 査読あり
  • [学会発表] 岩手・宮城内陸地震時に逆断層として再動した中新世荒戸沢カルデラ縁リストリック正断層2009

    • 著者名/発表者名
      遅沢壮一
    • 学会等名
      日本応用地質学会東北支部
    • 発表場所
      仙台メディアテーク
    • 年月日
      2009-07-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.dges.tohoku.ac.jp/~osozawa

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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