研究概要 |
地震性すべりに伴うラプチャー進展と断層のダメージを評価するために、ガス圧式三軸試験機を用いて人工石英単結晶および天然の石英多結晶体の固着すべり実験を行った。封圧180MPaの実験では、大きな固着すべりが発生し、試料はすべり面から数mm以上の深さまで細かく粉砕した。高い封圧下にもかかわらず,モードIの破壊様式が卓越し,せん断破壊の証拠は認められなかった。このときのラプチャーの進展速度は4km/sec以上でS波速度を超えており,ラプチャー先端から放射された衝撃波が,激しい粉砕現象をひきおこした可能性が示唆される。固着すべり後に断層面近傍に残留する応力を評価するために、EBSD法を用いて回収試料の格子歪解析を試みたところ、歪測定の定量が可能な明瞭な回折パターンが取得できた。
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