研究課題
なぜ地球にだけ大陸性地殻が生まれたのかは、地球史の重要課題である。初期の大陸地殻岩石「Archean TTG」の成因として、多くの研究者はスラブ融解を考え、融け残りはエクロジャイトであるとしている。しかし、狭義のグラニュライト相とエクロジャイト相の境界には、漸移部として「ザクロ石グラニュライト相」が、ある圧力幅をもって存在する。この問題の解決には、衝突帯におけるザクロ石グラニュライト相岩石の形成プロセスの検討とデラミネーションの検討が不可欠である。南極のザクロ石グラニュライト相変成岩の解析中に、ヘグボマイト類に属すると思われる鉱物を発見した。新鉱物と確信、変成度の解析を中断。予測しえない発見であることから、研究費を平成23年度に繰越し、この鉱物の解析に時間を割いた。その結果、国際鉱物学連合から新鉱物「Magnesiohogbomite-2N4S」として認定された。本研究費での想定以上の画期的成果となった。さらにこの岩石中には、様々なU-Th含有鉱物が含まれており、この年代測定をオーストラリアのジェームズクック大学で行うとともに、新潟大学でもCHIME年代測定をおこなった。これにより、本研究課題の目標の一つであった、新潟大学におけるCHIME年代測定はほぼ完成した。新鉱物に関連する内容では、エジンバラで開催された国際学会と、鉱物科学会で発表した。また、詳細論文は、American Mineralogistに受理され、2012年2月号に掲載された。北海道の中新世のTTGの生成については、ロシア科学アカデミー主催の国際学会(2011年9月、ウラジオストク)で招待講演を行った。これらを含め大陸地殻に関連する学会発表を、繰越年度を含めて2年間で23件おこない、3編の論文を公表。さらに1編を投稿中である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (23件) 図書 (1件) 備考 (3件)
American Mineralogist
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Mineralogical Magazine
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Jour.Miner.Petr.Sci.
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http://www.niigata-u.ac.jp/top/pickup/230609_1.html
http://www.sc.niigata-u.ac.jp/sc/info/20110531.html
http://www.nipr.ac.jp/info/notice/20110601.html