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2010 年度 実績報告書

中央海嶺玄武岩の組成を規定する要因の解明―南西インド洋海嶺を例に―

研究課題

研究課題/領域番号 20540448
研究機関専修大学

研究代表者

佐藤 暢  専修大学, 経営学部, 准教授 (50365847)

キーワード地質学 / テクトニクス / 中央海嶺 / 玄武岩 / 化単組成 / 同位体比
研究概要

中央海嶺での拡大様式や海嶺の構造は、拡大速度とメルト供給のバランスで決まっており、メルト供給量はマントルソースの温度や組成を反映していると考えられる。従って、拡大速度がほぼ等しい中央海嶺での拡大様式・海嶺の構造は、マントルソースの温度・組成条件の違いの結果であると推測される。この仮説のもと南西インド洋海嶺の東経34度から40度の海域でドレッジによって採取された玄武岩類・カンラン岩類の分析を行った。平成22年度は、平成20年度に採取された岩石類の高精度精密分析および平成21年度に採取された岩石の主成分元素および微量元素組成分析を行った。
調査海域西端の断裂帯から採取されたカンラン岩中およびそれに由来するスピネルのOs同位体比の測定結果は著しくOsに枯渇した組成を示した。この組成から計算されるマグマ抽出年代は約10億年を示し、単斜輝石の微量元素組成と併せて考えると、約10億年前にマグマを形成した後、交代作用やメルトーマントル相互作用を経ないまま長期間に渡ってアセノスフェアマントルとして存在してきたマントルカンラン岩であることが推察される。
玄武岩類の主成分元素組成から部分融解度を推定し、その値と微量元素組成からマントルの微量元素組成の推定を行った。その結果、海底地形に応じて異なるように見える組成幅も軽希土類組成で約2倍の濃度の違いしかないことが判明した。新たなモデル計算に基づくマグマ形成の温度圧力条件はほぼ等しいことを踏まえると、マグマ形成に関与するエンリッチした(融けやすい)物質の含有量が場所毎にわずかに異なっていて、その違いが部分溶融度、ひいてはマグマ組成、海底地形に反映されていると考えられる。
これらの結果は、超低速拡大海嶺ではマグマ形成に関与するマントルの領域が限られた範囲であり、そこでの不均質性が中央海嶺玄武岩組成に強く影響を及ぼしているという仮説を支持するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] IODP第322次研究航海基盤岩の岩石学2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤暢, ほか
    • 学会等名
      日本地質学会第117年学術大会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2010-09-20
  • [学会発表] 南西インド洋海嶺35Eから39Eで採取された岩石類-白鳳丸KH-09-5航海速報-2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤暢, ほか
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2010年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      2010-05-26

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公開日: 2012-07-19  

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