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2008 年度 実績報告書

下部地殻の異種岩石間における部分融解連鎖反応に関する先導的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20540462
研究機関千葉大学

研究代表者

廣井 美邦  千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40019427)

キーワードコンダライト / 不純大理石 / スカルン / 部分融解 / 累帯構造 / 石墨 / 渦巻き成長模様 / グラニュライト相
研究概要

本年度は、南インドでの現地調査を実施するとともに、特に南極産のコンダライトとそれと互層する不純大理石並びにそれらの間に発達した「スカルン」の詳細な記載・分析を行い、さらに高温・高圧部分融解実験を開始した。
本年度の研究の成果として特筆すべきことは次の3点である。1パーアルミナスなコンダライトが斜方輝石や単斜輝石を含むメタアルミナスな岩石(一種のチャルノッカイト)に移化することが確認された。すなわち、岩石の総化学組成が成層構造に不調和的に大きく改変されていることが鉱物組み合わせから確認された。2上記の、コンダライトがチャルノッカイトに移化する部分に出現するザクロ石の単結晶に、母岩の総化学組成の勾配に対応するような化学組成の勾配があり、さらにそれに接した斜長石にも顕著な組成勾配があること明らかになった。これは従来報告されたことのない新しいタイプの組成累帯構造として、注目に値する。3不純大理石中のMg-Alに富む岩塊(従来、これもスカルンとされてきた)中の石墨結晶の表面によく保存された渦巻き成長模様が見いだされた。この石墨は、グラニュライト相高温部の変成岩中で灰長石と董青石に接しており、そのような石墨に渦巻き成長模様が確認されたのは世界で初めてである。これは下部地殻におけるグラニュライト相変成作用時の流体の有無や組成に関する新しい情報や制限を与えるものとして特に重要である。現在、上記の新しく見出された事実や現象を鋭意解析している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 泥質変成岩の部分融解におけるアルカリ長石と斜長石の花崗岩質メルトへの融解過程2008

    • 著者名/発表者名
      森田秀彦
    • 雑誌名

      岩石鉱物科学 37

      ページ: 96-109

    • 査読あり
  • [学会発表] 南極、昭和基地付近のグラニュライト相変成地域に産出する火成紅柱石2008

    • 著者名/発表者名
      廣井美邦
    • 学会等名
      日本地質学会
    • 発表場所
      秋田大学工学資源学部
    • 年月日
      2008-09-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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