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2008 年度 実績報告書

遷移金属化合物中での電子密度分布と非調和ポテンシャルの実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20540464
研究機関金沢大学

研究代表者

奥寺 浩樹  金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (50401881)

キーワード遷移金属 / 酸化物 / 磁鉄鉱 / アナタース / 結晶内電子密度
研究概要

これまで、試料準備のための単結晶合成装置の導入、鉄欠損型磁鉄鉱について単結晶X線構造解析のための試料の準備、おなじく鉄欠損型磁鉄鉱粉末を試料とした粉末X線回折データのリートベルト解析、銅をドープした磁鉄鉱(粉末試料)の合成と結晶構造解析、及び鉄と近い性質を持つチタンの酸化物を使った予察的研究を実施した。鉄欠損型磁鉄鉱粉末試料についてのリートベルト解析では電子密度分を高精度で決定することは難しいが、従来推定されるのみであった陽イオン分配を広い組成範囲で決定することができた(2009年度中に国際会議で発表予定)。銅をドープした磁鉄鉱については、今回初めて充分に低い温度(100℃以下)で粉末試料を合成し、これについてのリートベルト解析を行う事に成功している。これまで、低温では銅イオンが八面体席のみを占めるであろうことが高温での実測からの外挿により予想されていたが、今回の結果によりそれが示されたといえる(公表予定)。
チタン酸化物は磁鉄鉱とは異なる結晶構造を取るが、磁鉄鉱と同様に陽イオン過剰/欠損型の構造を取ることがある。又、紫外線照射により表面に正孔と余剰電子が発生し、光触媒活性を示すことが知られている。これについての単結晶X線回折実験を行い、第一原理に基づく電子軌道計算の結果と照合したところ、両者は良く一致した。これは光触媒活性を示す物質について電子構造の変化の最初の観測例となった(2008年度国際会議で発表済)。今後の研究への影響の観点から言えば、これは単結晶X線回折の手法によりごく僅かな電子構造の変化を検出する事が可能である事を確認したことに留まらず、本申請による研究(実測)に内在する測定誤差の定量的な評価ともなっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Electron density distribution in anatase (TiO2) under UV-irradiation : Observation and calculation2008

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Ito, Hiroki Okudera
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica Section A 64

      ページ: C531

    • 査読あり
  • [学会発表] Electron density distribution in anatase (TiO2) under UV-irradiation : Observation and calculation2008

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Ito, Hiroki Okudera
    • 学会等名
      XXI Congress of the International Union of Crystallography
    • 発表場所
      ゲランキューブ大阪
    • 年月日
      2008-08-28

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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