研究概要 |
カオリナイトの溶解速度に及ぼす生体有機分子の影響を定量的に評価するため、KGa-1試料を用いてタンパク質(BSA)を含む溶液によるフロー式溶解実験を行った。今回の実験では、溶液pHを中性付近に固定してBSA濃度の異なる5種類の溶液(BSA=0.0,0.01,0.02,0.05,0.1mg/ml)を使用した。その結果、BSA=0.0mg/ml; R=5.28×10^<-13>, BSA=0.01mg/ml; R=5.38×10^<-13>, BSA=0.02mg/ml; R=5.93×10^<13>, BSA=0.05mg/ml; R=1.20×10^<-12>, BSA=0.1mg/ml;1.58×10^<-12>mol/s/m^2の溶解速度が得られた。これらの結果は、溶液中のBSA濃度の増加によってカオリナイトの溶解速度が最大3倍増大することを意味しており、生体有機分子の作用によってカオリナイトの溶解速度が著しく増大することが明らかになったことに加え、その影響を定量的に評価することができた。
|