研究課題
昨年度から開始した岩石試料の解析作業を継続した。また、研究代表者による南極でのサンプリングも実施した。今年度は、東南極ナピア岩体の既存試料のうち、Fyfe Hillsのサンプルについて、偏光顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いた岩石記載およびジルコンを分離し極地研の二次イオン質量分析計SHRIMPを用いての予察的な年代測定を開始した。ナピア岩体のFyfe Hillsからは、これまでの研究で、3800Ma,3000-3100Ma,2500Ma,2300Maと様々な年代値が報告されており、その解釈をめぐっての論争も絶えない。そこで今回、研究代表者が参加した第46次南極観測(2004~2005)の際にFyfe Hillsから採集された試料について、研究分担者の外田智千、プロジェクト研究員の堀江謙路によってジルコンの年代測定を開始した。結果についてはまだ公表できる段階にないが、これまでの報告例と同様、相当複雑な熱史を経ていることが予見され、これはナピア岩体全体の履歴にも関係する問題提起になるであろう。研究代表者本吉洋一は、第51次南極観測隊に参加し、2009年12月-2010年2月にかけて東南極リュツオ・ホルム湾沿岸およびナピア岩体の一部についてサンプリングを実施した。とくに本研究のターゲットであるナピア岩体については、数カ所の露岩から試料を得ることができた。これらについて、次年度に記載岩石学的および年代学的解析を開始する予定である。
すべて 2010 2009
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Journal of metamorphic Geology (受理印刷中)