研究課題/領域番号 |
20540471
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
本吉 洋一 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (90211606)
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研究分担者 |
白石 和行 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (90132711)
外田 智千 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (60370095)
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キーワード | 超高温変成作用 / ナピア岩体 / 東南極 / 変成履歴 / 年代測定 |
研究概要 |
平成22年度は、本研究課題の最終年度であることに鑑み、成果のとりまとめとその一部の論文化に取り組んだ。とくに、東南極ナピア岩体のうち西部地域に相当するファイフ・ヒルズ、マウント・クロナスのサンプル合計5点(長石質-石英長石質片麻岩3点、珪岩2点)について、国立極地研究所の二次イオン質量分析計(SHRIMP II)を用いてジルコンのU-Pb年代測定を行なった。その結果、以下の新知見が得られた。 1.本地域からのU-Pbジルコン年代として3128Ma~1824Maという年代値が得られた。 2.ナピア岩体でこれまで報告されている3800Ma~3600Maという古い年代は見いだされなかった。 3.今回得られた年代のうち、3128Ma~2580Maというプロトリス年代は、ナピア岩体の他地域で報告されている年代と調和的であるが、ファイフ・ヒルズの長石質片麻岩から、2741Maという火成作用の年代が新たに見いだされた。 これまでの研究で、ナピア岩体の超高温変成作用の年代は約2500Maとされていることから、それより若い年代値については、局所的な流体の関与、あるいは変形作用の影響が考えられる。 以上の結果は、国内外の学会・シンポジウム等で発表を行なうとともに、Horie et al.として論文にまとめ、2月に国際誌に投稿した。現在査読が進行中である。
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