研究課題
日本列島は、多くの地質帯に別けられ、それぞれの地質帯の形成史が詳しく議論されているが、主要構成物である白亜紀花崗岩類に関しては未だ年代による分類が不明なものが多くある。本研究は、閃ウラン鉱やトール石の高精度のEPMA年代を求め、日本列島の白亜紀花崗岩類の年代分布を明らかにすることによって、それぞれの時代の地質帯のつながりを解明することを目的とする。本年度(最終年度)は、北海道南西部から阿武隈山地にかけてのかこう岩の年代を閃ウラン鉱とトール石を分離して年代を求めた。約100点の資料の収集し、その中の70%程度で閃ウラン鉱かトール石を確認できた。北海道南西部に関しては、北上山地の年代分布である115-125Maの範囲にあり、北上山地の延長であることを確認した。東北地方の西部のかこう岩は、第三紀の火山岩に広く覆われて、極一部しか表面に表れていないが、その年代は、100-107Maであり、阿武隈山地のかこう岩の延長と考えられる。こられの東北西部のかこう岩の年代は、今までにK-Ar法で求められてきたが、大きなばらつきがあり、100Mai以下の年代値が報告されて帰属があいまいであったが、今回の研究でほぼ阿武隈山地の延長であることが決定づけられた。また、山形周辺のかこう岩の年代は、65-100Maと幅広い分布を示すが、これらの年代分布で若い年代は、西部に分布し、領家帯のかこう岩の連続であることを確認し、山形市周辺のかこう岩のその中でも古く、阿武隈の一部に相当するものと考えられる。これまでの研究でほぼ日本の白亜紀のかこう岩の年代について、その連続性が明らかにさらた。
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